大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和62(し)120 決定

主 文

本件抗告を棄却する。

理 由

本件抗告の趣意は、まず、国選弁護人に支給すべき報酬額の決定に対しては刑事

訴訟費用等に関する法律(以下「刑訴費用法」という。)に不服申立の途が設けら

れていないのであるから、刑訴法上抗告又はこれに代わる異議の申立が許されると

解すべきであり、これが許されないと解するときは、憲法一三条、三一条、三二条、

三七条三項、九八条一項の各規定に違反する結果になるというのである。しかしな

がら、国選弁護人に支給すべき報酬額の決定は、刑訴費用法八条二項の規定に基づ

く裁判であつて、刑訴法上の裁判ではないから、これに対しては刑訴法に準拠する

不服申立をすることは許されず、これと同旨の原判断は正当である。また、右裁判

の性質にかんがみると、このように解しても、憲法の右各条項に違反するものでは

なく、このことは、当裁判所大法廷判例(昭和二六年(ク)第一〇九号同三五年七

月六日決定・民集一四巻九号一六五七頁、昭和三六年(ク)第四一九号同四〇年六

月三〇日決定・民集一九巻四号一〇八九頁、昭和三七年(ク)第二四三号同四〇年

六月三〇日決定・民集一九巻四号一一一四頁、昭和三九年(ク)第一一四号同四一

年三月二日決定・民集二〇巻三号三六〇頁、昭和三七年(ク)第六四号同四一年一

二月二七日決定・民集二〇巻一〇号二二七九頁、昭和四一年(ク)第四〇二号同四

五年六月二四日決定・民集二四巻六号六一〇頁、昭和四〇年(ク)第四六四号同四

五年一二月一六日決定・民集二四巻一三号二〇九九頁、昭和二二年(れ)第四三号

同二三年三月一〇日判決・刑集二巻三号一七五頁、昭和二二年(れ)第一二六号同

二三年七月一九日判決・刑集二巻八号九二二頁、昭和二三年(れ)第一六七号同年

七月一九日判決・刑集二巻八号九五二頁、昭和二四年新(れ)第二五〇号同二五年

六月七日判決・刑集四巻六号九六六頁)の趣旨に徴して明らかであり、所論は理由

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がない(最高裁昭和五八年(行ツ)第二七号同六一年九月八日第二小法廷判決・裁

判集民事一四八号四二五頁参照)。

同趣意は、さらに、判例違反をいうが、最高裁昭和五八年(行ツ)第二七号同六

一年九月八日第二小法廷判決・裁判集民事一四八号四二五頁を引用して判例違反を

いう点は、所論引用の判例は、所論の点に関しなんら法律判断を示しておらず、高

松高裁昭和五六年(行コ)第五号同五八年一月一一日判決・訟務月報二九巻八号一

五一七頁を引用して判例違反をいう点は、所論引用の判例は、事案を異にし本件に

適切でないから、いずれも前提を欠き、刑訴法四三三条の抗告理由に当たらない。

よつて、刑訴法四三四条、四二六条一項により、主文のとおり決定する。

この決定は、裁判官坂上壽夫の補足意見があるほか、裁判官全員一致の意見によ

るものである。

裁判官坂上壽夫の補足意見は、次のとおりである。

私の補足意見は、最高裁昭和六二年(し)第七〇号同六三年一一月二九日第三小

法廷決定における私の補足意見と趣旨において同一であるから、ここにこれを引用

する。

昭和六三年一一月二九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 伊 藤 正 己

裁判官 安 岡 滿 彦

裁判官 坂 上 壽 夫

裁判官 貞 家 克 己

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